seaさん
私の人生これで終わりだろうか?
唐突に患者さんに言われた言葉
彼女は85歳
病名はパーキンソン病
今は誰かの手を借りないと
食事は1人ではできないし
トイレも行けません
だけど
認知症はなく頭は年齢以上に
しっかりされています
自分の思い通りに
身体を動かす事ができず
彼女は人の手を借りながらも
一生懸命生きていて
自分の訴えは
遠慮なく言う性格で
いつも強気な人です
だから
そんな彼女から
突然弱音の言葉が出て
正直驚いたのと
言葉に重みがありすぎて
なんて言葉を
返してあげればよいのか
戸惑いました
なんて答えるのが
1番ベストなのか
そんな事を
考えている私の思いとは
うらはらに
また
彼女はこう言い始めました
seaさんには
私の今までの人生で
どうしても
忘れられない人がいる事
話しておきたい
そう言われて
彼女の若かれし時代の話しに
耳を傾けました
彼女は今は車椅子生活で
高齢だけども
確かな青春があり
誰かに恋して
叶わなかった恋を
85歳の今でも
時々思い出す
そう言いながら話してくれました
その表情は
まるで乙女のようで
とってもかわいくて
そして
切ない眼差しをしていました
現在85歳と言う事は
彼女の青春時代は
今からもう60年以上も昔の事
彼女は3人姉妹の長女に産まれ
妹2人は優等生で
いつも親に比べられていて
劣等感を片手に
不良グループと
つるんでいたそうです
当時の不良って
想像もできないですよね
とにかく親に反発しながらの
学生生活を送っていた
彼女は
その不良グループの
リーダーの男性と
恋に落ち
将来を誓い合いました
結婚できる年齢がきたら
一緒になろうと
約束もしていました
だけど
親に認めてもらえず
親が紹介した
教養のある教師と
結婚するように
言われました
あの時代は
不良と言っても
結婚相手までも
親に反発する事は
許されない時代で
泣く泣く
彼との結婚を諦め
親の言う通りに
結婚を決めたそうです
親に反発してまで
彼を選ぶ勇気がなかった
そう言っていました
親が選んだ相手と
結婚する前に
最後に
彼と2人で
親に黙って
西日本から
大阪まで
計画もなく
2人で必死に汽車に乗り込んで
汽車のススで真っ黒になりながら
大阪まで行きました
大阪についてから
2日間を2人で過ごしたそうですが
自分達だけの力では
どうにもならない事を思い知りました
大好きな彼と一緒にいたけど
親に黙って出てきた事
これからの事
知らない街で
なんだか不安や罪悪感に
押し潰されそうになり
2人で話合って
それぞれの人生を生きよう
そう言って
また地元にもどりました
親達は捜索願いまで出していて
警察沙汰になり
相当怒られたそうですが
2人が確かに愛しあった証と
思い出を
心に刻み
彼女は
親の決めた相手と
結婚しました
結婚当初は
相手の事を全く
好きになれなかったそうです
だけど結婚相手の旦那様が
とっても誠実な人で
彼女の事を一緒懸命に
愛してくれたそうです
一緒に生活していき
彼女もその愛情に
感謝して
幸せに暮らしました
だけど
それでも時々
あの人と一緒に暮らしていたら
今頃どんな生活を送っていただろうか?
考えてもどうにもならない事と
分かっていても
別れた彼の事を思いだして
悲しく切ない気持ちになっていた
そう言っていました
結婚してから
偶然に一度だけ
彼を見かけた事があるそうですが
彼は彼で
妻を持ち子供もいたそうです
声をかけたかったけど
ぐっと堪えて
幸せそうな彼の姿を見ていた
そして
今自分も
幸せな生活を送っている事で
これで良かったんだ
そう何度もいい聞かせました
そのシーンは
今でも何度も思い出し
あの時声をかければ
良かったのか?
声をかけたところで
どうしたかったのか?
そう言う葛藤を
何度も自分に聞いてしまう
そう言っていました
彼女の旦那さんは
彼女が75歳の時に
脳梗塞で倒れ
彼女が2年間献身的な介護をして
息を引き取られたそうです
その後に
彼女の病気
パーキンソン病が分かり
1人では暮らす事ができなくなり
ここに来ました
そして
今こうして
私に
こんな素敵な
切ない話しをしてくれている
旦那様が亡くなってから
始めて知ったらしいんですが
旦那さんは彼女の為に
たくさんのお金を
残してくれていたらしく
彼女がこの病気になって
治療費や生活費
介護費が莫大に
かかるけど
何の心配もなく
過ごせています
親の言う通り
あの時
「教養のある人と結婚しなさい」
言う事を聞いて結婚して
今こうして助けてもらって
生きている
もし
愛してた
不良グループのリーダーと
結婚していたら
今の病気になって
同じような生活が
送れていたかどうかは
分からない
人生の別れ道だった
この道を選んで良かった
そう言っていました
だけど
彼の事は
いつまでも切ない思いでで
彼女の中で鮮明に思いだされる
彼ともし
生活を共にしていたら
きっと違う形になっていたんだろうな
そう思いながら
彼女の瞳を見つめていました
生活を共にして一緒に生きた人
大好きだったけど共には生きられなかった人
愛しく切なく心に残るのは
大好きだった彼だけど
彼女を支えてくれて
彼女の生活の保障をしてくれたのは
共に生きた夫だった
複雑ですよね
何と言って良いかわからない
結婚って
今も昔もやっぱり
そう言う事なんですよね
結婚は簡単な事じゃない
結婚は一生配偶者を守る
何があっても最期の時まで
看取る
それだけ重たいものなんですよね
家族になるって
そう言う事なんですよね
夫は私に何か有れば
100%助けてくれるだろうし
行動も起こしてくれると思う
私が年老いても
面倒をみてくれるだろうだけどその反対で
婚外相手が100%助けないと
いけない人は私ではなく妻でそれが夫婦であり
結婚していると言う事でそこは離婚しない限り
絶対に変わらない事実と現実#婚外恋愛— sea@婚外恋愛の掟と楽しみ方を発信する人 (@sea19254142) July 2, 2022
だけど
結婚生活と婚外恋愛の狭間で
あなたを想う
この気持ちも真実であって
結婚について
すごくすごく考えさせられる
大切なお話でした
彼女の場合
結婚してからは
好きだった彼と
身体的な繋がりはなかったし
関わる事はなかったなら
婚外恋愛とは
少し違うのかもしれませんが
だけど
結婚してもずっと好きだった人
である事は
間違いありません
私はできる限り
彼女のお手伝いができて
彼女の残された人生を
身体的にも精神的にも
支えていけたら
幸せだな
そう思っています
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